石狩かめの会

石狩・不登校と教育を考える会

読書会2回目

『ひきこもる心のケア』の読書会の2回目でした。


今回は監修された村澤先生、実際に若者のサポートをされている相馬さんや藤井さんも参加してくださいました。
こういう機会は貴重なので、前半は本の内容に即して発達障害の章から始め、休憩をはさんで後半はひきこもり全般、今後の展望などについて話し合いました。


発達障害とひきこもりの章では村澤先生から「自閉症スペクトラム」についてのレクチャーを受け、さらなる理解を深めました。
発達障害の診断をつける時は、ラべリングではなく診断をつけないと使えないサービスを使うため。あくまでも本人の「困り」に軸を置くことが大切な事。発達障害が「排除の理由」にならないように気をつけなければいけない事を再確認しました。


後半に入る前の休憩時間に5年前の3月11日の地震があった時刻になりました。会場である「りんくる」では館内放送があり、皆で黙とうしました。亡くなった方たちの冥福をお祈りするとともに、今もなお困難な状況にある方たちに思いをはせました。忘れるものですか。自分ができる事をやっていきますよ。


さて後半は参加メンバーが「ひきこもり」が言われ始めた頃の講演会に参加した話などから、ひとしきり自分たちが活動し始めた頃の話題など。あの頃からみると居場所や支援機関は増えてきているので状況は良くなってきているかと思うのですが、地方での居場所や支援は依然と少ない。相談支援機関を訪ねてくる人は増えたけれど、出口で詰まっている状況であるのだとか。(紹介する先がない。)


人とつながる機会に居場所を求めて探すのですが「どんな人が来ていますか。何人くらい来ていますか」と居場所への問い合わせがあるそうです。(居場所のハードルが高くなる)
杉本さんも参加されているSANGOの会の場合をお聞きしました。おおむね35歳以上のひきこもりの方が集まっている自助グループですが、「低い年代の人の集まりもあるし、長く関わっている方達はジェントルなので安心して来てください。」との事でした。



就労のことについては、村澤先生から「三次産業が主な社会でなかなか職に就くことが難しい。一次産業も視野に入れて考えては」という提案がありました。



居場所にしても就労にしても、情報を多く持てば安心とは必ずしもならないという話も出ていました。



どんなふうに生き延びたらよいのでしょね。過大に多くを望まない生活。たとえばpha
さんのような生き方とか?
制度として予算付けがあれば、かなりのことは解決すると思うのですがね。と話しているうちにくら〜くなってしまったのですが、そこで相馬さんが「なんとかなります」と。
「社会の仕組みについては長期に考え、個人の事は刹那的にならない程度に短い期間で考える。」言い回しは違っているかもしれませんがそういうことをおっしゃったので、はっと我に返り「明日を患い過ぎて、今日を台無しにすることはない。」と思い直したのでした。


まあこんな風に話しても尽きない話をした読書会(?)でした。

こんなことを話し合う集まりもれっきとした居場所の一つなのですよね。


漂流日誌で相馬さんが今回の読書会についても書いておられます。
参考になさってください。
http://d.hatena.ne.jp/hyouryu/20160311


村澤先生の本も興味深いです。

ポストモラトリアム時代の若者たち (社会的排除を超えて)

ポストモラトリアム時代の若者たち (社会的排除を超えて)


杉本さんの深い考察。ぜひ読んでください。
http://soyane-cable.blogspot.jp/2016/03/in.html