石狩かめの会

石狩・不登校と教育を考える会

丸山さんの講演会に参加して

「北海道ひきこもり当事者連絡協議会」が設立され、その設立記念講演会に行って来ました。この連絡協議会は道内のいくつかの団体が、ひきこもり当事者同士がつながり支え合うことで、ひきこもりの当事者の様々な不安感の軽減除去を図り、安心して生きて行くことができる地域づくりを目指して活動することを目的とするというものだそうです。


前半はヒューマン・スタジオ代表の丸山康彦氏の記念講演「当事者が求める支援〜生きるのが楽になるために〜」と題しての講演があり、後半は5つに分かれてのグループセッションがありました。


<記念講演会より〜>
●ひきこもり当事者特有の深層心理
トンネルの中では出口の見えない中を歩いているが、自分の足で自分のペースで踏破したいという気持ちである。また二つの本心(「人並みに生きたい」という意識と「でも自分を殺したくない」)が葛藤しているのだと。どちらも本心なので片方を肯定されても楽にはならない。
それらはその後、統合され「新しい自分・生き方」へと繋がって行けば・・・。


●当事者と支援者とのギャップが起きることも。
本人のエネルギーの回復が不十分だと、支援者が考える一般的な「階段型支援システム」とのギャップが生じます。支援システムとしては一段ずつ階段を上がるようにステップアップしながら社会復帰に近づけさせようとするのでしょうが、丸山さんは階段ではなくスロープでと提言しています。結果<プロセス 不本意<納得 借り物<本物


●当事者の実情に合った支援の考え方とは
肯定的な見方をし、困難な局面に配慮しそのまま歩き続ける事ができるようにすること。
当事者のニーズにこたえる支援
・生活支援
 ひきこもり生活の質(ひきこもりQOL)を向上すること。心を変えるより先に生活を良くする。
・活動支援
 仕事や活動する当事者をサポート ひきこもりだったがゆえのスキル不足や心理的困難に対応。


●「非支援」の場や人間関係を拡大する地域づくり
・支援と無関係な会(当事者会、飲み会、読書会、対話集会)居場所になる。自発性が喚起される。エンパワーされる。
・支援と無関係な人間関係(家族、親せき、近所、他)ひきこもりであることを気にしない人。


●支援活動に求められること
・「願い」と「思い」を統合して新しい人生観や生き方を生み出すようにする。
・本人を楽にする(心が楽になることとエネルギーが回復する事は比例する)
・エネルギーが足りなくても進めるスロープのような支援システムを構築する。


●当事者活動に求められること
・求めている場や支援を早期発見して早期対応(利用・参加)できる情報拡散の仕組みづくり。



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不登校や引きこもりのトンネルの中にいて不安な方達や、保護者の方、支援者の方への道案内となる内容の講演会でした。
不登校の親の会の活動と照らし合わせて、今一度活動の確認となる内容でした。
QOLの向上。私たちがとても大切にしている事です。
丸山さんの著書も参考になさってください。

不登校・ひきこもりが終わるとき

不登校・ひきこもりが終わるとき


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