石狩かめの会

石狩・不登校と教育を考える会

ひきこもりサポーター研修

『ひきこもりサポーター地域総合育成事業』という研修会に行ってきました。


11月10日(土)10:00〜12:00
『ひきこもりサポートのあり方』鼎談
・阿部幸弘氏(精神科医)公益財団法人北海道精神保健推進協会理事長
田中敦氏(当事者)レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク理事長
・相馬契太氏(教育機関)訪問型フリースクール漂流教室理事
(後日、えりすいしかりネットテレビで動画の配信があるようです。)


阿部氏
北海道ひきこもり青年相談センターで、ひきこもり当事者や、保護者からの相談を多く受けてきた中で、保護者に「以前どこかに相談しましたか。」と聞くと、精神科に行きましたが、医師からは「病気じゃないから〜」「本人を診なきやわかんないから〜」と言われたという話があった。相談の間口は広く持ちたい。


田中氏
相談支援で特に重視しているのは、初心者に対する対応。第一歩を踏み出すのにエネルギーが非常にいる。例会は月に2回あるが、そのうちの1回は初心者だけのグループで行っている。家族会や自助グループの活用を勧める時には、いきなり例会に参加するのではなく、個別相談を経てグループワークへとつなげる。


相馬氏
30代のひきこもりの方からの訪問依頼があっても、週に一度の訪問では結果を急ぐあまり「これが何に役立つのか」とすぐに切られてしまうことがある。
年齢が低いと先を見やすい。年齢が高くなって来ると、それがどうなるんだと効率を求める。
子供から大人へと行くときに出口の所が閉められている。上を解放してくれないと抜けられない。


3氏ともに相談が一度きりにならないように、次につながるためにどうすればよいかを工夫し取り組んでいるようです。


・ひきこもりはすぐには解決しない。
・当事者と家族の思いは一致している場合もあるし、しないところもある。「いつまで待てばよいのか」という親の不安、本人も不安。当事者のひきこもりを保証し、かかわりながら待って行く。
・家族も本人もすごいストレスを抱えている。親じゃキツイ。関わるとしたら第3者。


鼎談後の質問
<今後強化したい支援とか足りない部分は何か。>
・資源の濃さ。個別に向き合って行くには丁寧にやって行く。サテライト事業として、自助グループの拠点を移して例会を持って歩く。本人が来れなくても親が参加できる。14か所を助成金を利用して回る計画。
ピアサポートが根付いてくれるようになれば。
・家賃が低くある程度きれいな所。交通費があれば(無料パス券)ボランティアスタッフの中で波が起きてまとまりができてきた。次につなげる。
・地域にあった支援。当事者のニーズにあった取組。ボトムアップ



********


息子と参加したのですが、鼎談後に感想を聞くと、「効率を考えたり、結果を急ぐ事をついしがちになる。目標を高く持ちすぎて、動きが取れなくなる事があるから、今日の話はよく理解できた。」と言っていました。


私は、田中氏のお話の中で、「どういう人たちがやっているのだろう」と思われるので、「こちらを開放していく」という言葉が印象的でした。(親の会をやりながら、常々考えている事でしたから)。相馬氏も親の会を紹介するようにしているとおっしゃってくれました。阿部氏も医療だけで解決する問題ではないと。今後様々なつながりの中で、考えて行きたいし、親の会でできることもありそうです。